皆さん、こんにちは!理学療法士のKです!
多くの方が経験する膝の痛み…
変形性膝関節症は膝の痛みや不調を抱える方にとって、これは馴染みのある言葉かもしれません。
というのも国内で変形性膝関節症の患者数は、自覚症状を有する患者数は約1,000万人、潜在的な患者数は約3,000万人と推定されています。
変形性膝関節症と診断され、
『筋肉が大事』『鍛えないといけないですよ』『体重に注意しましょう』
など、筋肉や体重について指摘を受けたことはないでしょうか?
今回は変形性膝関節症と筋肉の関係、トレーニング方法について解説します!
変形性膝関節症
膝関節は、軟骨で覆われています。しかし、年齢とともにこの軟骨は摩耗し、劣化していきます。劣化した軟骨は、膝関節の骨同士が直接摩擦し合うことを意味し、それが痛みとなります。さらに、軟骨の劣化に伴って、炎症が生じ、痛みを増幅させます。
変形性膝関節症になるリスクとは?
変形性膝関節症はどんな人がなりやすいのでしょうか?
肥満(過体重),女性,高齢,膝関節外傷の既往(前十字靭帯損傷、半月板損傷等),膝関節に負荷をかける活動(重いものを持つ、たくさん歩く、しゃがみ込みや正座の機会が多い等)が明らかとなっています。
また,膝のアライメント(骨の配列)や筋力,歩行時の膝の不安性も関係性を報告されています。
変形性膝関節症の痛みの原因
なぜ膝が変形すると痛みが出てくるのでしょうか?
膝OA患者において痛みと関連が指摘されている因子としては,性別 (女性) 、肥満、大腿四頭筋の筋力低下の3つが指摘されています。
<性別>
50歳以降の男女比では、女性の方が男性よりも2倍ほど多く、60歳以上の女性の60%~80%の方が発症しているとわれ、多くの女性が発症しやすい疾患となっています。
<肥満>
体重が増えると膝に大きな負荷がかかります。膝には人が歩く時には、体重の2~3倍、階段の昇降には5倍以上の負荷が膝にかかっています。
つまり体重が10㎏増加すると、歩くときに膝には30㎏の負担が増える事になります。
体重が増加すればするほど変形性膝関節症や痛みのリスクは増えていきます。
<大腿四頭筋の低下>
大腿四頭筋は歩行時の膝関節に加わる衝撃を吸収する役目があります。
大腿四頭筋が筋力低下を起こすとその衝撃を吸収する事ができず、膝への負担が増えてしまいます。
その状態で歩行や家事、仕事を繰り返す事で、軟骨が擦り減ったり、痛みが増えてしまう原因となります。
大腿四頭筋を鍛えることは膝の痛みを和らげるためには、非常に重要な筋肉になります。
大腿四頭筋とは?
大腿四頭筋とは太ももの前にあり、身体の中でも最も大きい筋肉のことです。
大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋の4つで構成されています。
体を支えるための大きな役割を担っており、この大腿四頭筋が弱くなると膝への負担が増えてしまいます。
他にはどんな筋肉が大切?
膝の負担を減らすためには股関節や骨盤周囲の筋力も大切になります。
また歩行を安定させるためにふくらはぎなど足関節の筋肉も重要です。
ご自宅で出来るトレーニングを3つご紹介します!
<セッティング>
タオルを丸めて膝の下に入れます。
膝をピンと伸ばすようにして太もも前(大腿四頭筋)に力を入れます。
3〜5秒力を入れて力を抜く、を10〜20回繰り返しましょう
<外転トレーニング>
横向きに寝て、足を斜め後ろに上げます。
3秒キープしてゆっくり降ろすことを10〜20階繰り返しましょう!
股関節の外側についている筋肉を鍛える事ができます。
骨盤が動かないように注意しましょう!
<カーフレイズ>
壁に手をつき、まっすぐ背伸びをするように踵を上げます。
ゆっくり10〜20回繰り返してみましょう!
ふくらはぎの筋肉を鍛える事が出来ます!
注意事項
痛みを我慢したトレーニングは、かえって膝を痛めたり、筋力を強化する事が出来ません。
痛みが無い強度、回数で継続するようにしましょう!
最後までお読み頂き有難うございました。
※セルフトレーニングを行っている際に痛みを感じる場合は中止し、医師に相談をして下さい。
記事監修 理学療法士 K
整形外科クリニックに勤務し肩、膝を中心に延べ9万人以上のリハビリを担当
サッカーチームにトレーナーとしても帯同中
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