皆さんこんにちは!
理学療法士のKです!
『肩の痛みが続いているのは腱板を断裂しているから?』
『腱板断裂は治るの…?』
『放っておいたらどうなるの?』
様々なきっかけで起こる腱板断裂…
今回はは腱板断裂について解説致します。
腱板(ローテーターカフ)とは
腱板(ローテーターカフ)とは肩の関節を安定させる働きをもった棘上筋・棘下筋・肩甲下筋・小円筋の4つ筋肉のことで、肩関節のインナーマッスルとも呼ばれています。
肩関節は腱板がバランスよく機能する事により安定して肩を動かすことができます。
腱板断裂とは腱板が切れた状態の事を言います。腱板を断裂すると肩関節の安定性が損なわれ、肩を挙げる事ができなくなったり、痛みが続く原因となったりします。
腱板は何で断裂するの?
腱板断裂の原因は大きく3つあります。
<①加齢による変性>
一番多いのは年齢による変性です。40歳頃からこの腱板の老化が始まり、強度低下による断裂の危険性が高まります。日常生活の中で気づかないうちに断裂している事もあり、五十肩と思っていたら切れていた…ということも実際に多くあります。
<②外傷(ケガ)>
転んで肩を打ったり、手をついたりしただけでも肩に負担がかかり腱板断裂を起こすことがあります。日常生活でも何気なく重いものをもったり、洗濯物を干したりした瞬間に痛くなり、実は腱板が切れていたということもあります。
<③オーバーユース(使いすぎ)>
野球やテニスなどスポーツで肩をたくさん使ってきた方や、力仕事などで良く腕を使われる方は腱板が徐々にすり切れたり、微細な損傷が加わり腱板が変性や断裂をしたりします。
腱板断裂の種類
腱板断裂といっても断裂の仕方やサイズなどは様々な種類がありますが部分的に断裂する(部分断裂)と完全に腱板が切れてしまうタイプ(完全断裂)に分けられます。
部部分断裂はどこが切れているかでさらに分類され、腱板の関節面に近いところの断裂(関節面断裂)、腱板の表面側の断裂(滑液包面断裂)、腱板の内部の断裂(腱内断裂)に分類されます。
また完全断裂は断裂サイズにより小断裂(~1cm)、中断裂(1~3cm)、大断裂(3~5cm)、広範囲断裂(5㎝以上)に分類されています。
どうやって診断するの?
腱板はレントゲンには写りません。断裂の有無や種類、サイズなどの詳細を評価するためにはMRI検査で確認が必要です。
痛みが続いている、以前よりも手が上がりにくくなっている方は早めに医師に相談しましょう。
症状
症状は肩を挙げた時の痛みや夜間の疼くような痛み(夜間痛)、肩が動かしづらくなる可動域制限など症状です。また腱板が断裂する事で力が入らなくなり筋肉が萎縮したりします。
腱板は断裂したら痛い?
実は腱板が切れていても症状がない人もたくさんいます。ある調査によると腱板断裂は年齢が上がるほど増加をしますが、その約2/3には自覚症状がかったと報告されています。
つまり腱板を断裂をしても必ず痛むわけではないということです。
腱板断裂は治るの?
残念ながら断裂した腱板は自然に修復されることはありません。
最近の研究では腱板断裂が生じると、断裂の大きさ等は時間経過と共に進行すると報告されています。
『じゃあ腱板を断裂すると治らないのか…』と思われるかもしれませんが、前述した通り腱板が断裂していても症状が無い方もたくさんいらっしゃいます。
また腱板が断裂しても残っているインナーマッスルやアウターマッスル、肩甲帯周囲の筋肉をリハビリで正しく働かせられるようにトレーニングを続けると、痛みや制限が改善する方もたくさんいらっしゃいます。
放置せずリハビリを続けることがとても大切ということになります。
記事監修 理学療法士 K
整形外科クリニックに勤務し肩、膝を中心に延べ9万人以上のリハビリを担当
サッカーチームにトレーナーとしても帯同中
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