みなさんこんにちは!
理学療法士のKです!
『膝が突然痛くなってきた…』
昨日まで普通に生活をしていたのに、突然の異変。
『痛い』『曲がらない』『歩けない』
自分の膝に何が起こっているのでしょうか?
今回は膝に起こりやすい疾患と症状について解説致します。
変形性膝関節症
膝関節のクッションである軟骨が擦り減り、痛みや炎症が起こる疾患です。男性よりも女性の方が罹患率が高く、50歳以上で変形性膝関節症の人は2,400万人、うち痛みを有する患者は820万人と言われています。
軟骨のすり減りが重症化すると変形や屈伸制限、歩行が困難になることもあります。
主な症状は下記の通りです。
〇痛み:
膝の内側を感じることが多く初めは軽度な痛みであることもありますが、進行するにつれて痛みが激しくなることがあります。
歩行や階段の昇降、長時間の立ち仕事などで痛みを感じることがよくあり、膝を曲げたり伸ばしたりする動作も痛みを引き起こすことがあります。
〇腫れ:
関節内に炎症が起こると膝関節周辺に腫れが生じることがあります。
〇可動域制限;
炎症や筋肉が硬くなることで、膝を完全に伸ばすことや曲げることが制限されることがあります。
〇こわばり:
炎症により膝関節が硬くなり、動かしづらさやこわばりを感じることがあります。起床時や動き始めにこわばりが強く感じられることもあります。
〇筋力の低下;
膝の痛みや機能制限により力が入りにくくなることがあり、歩行や階段など日常生活動作に支障をきたすことがあります。
※変形性膝関節症の症状は進行性であり、痛みや機能制限が段階的に悪化することがあります。早期の段階で適切な治療を受けることが大切です。
半月板損傷
半月板は膝関節内にあるクッションのような組織で、膝の安定性と機能に重要な役割を果たしています。膝をねじったり、強い負荷が掛かる事で半月板に亀裂が入ったり欠けたりして関節内に炎症が起こります。
主な症状は下記の通りです。
〇痛み:
痛みの程度や部位は損傷の範囲や重症度によって異なる場合があります。膝を曲げたり伸ばしたりする動作や歩行、立ち仕事、スポーツ動作などで痛みが強くなることがあります。
〇腫れ:
半月板損傷により関節内や膝周囲の組織に炎症が生じ、膝が腫れたり水が溜まることがあります。
〇ひっかかり:
半月板損傷をすると膝関節内で引っかかるような音(クリック音やポップ音)が生じることがあります。これは半月板の損傷部分が関節内で動くことにより起こります。半月板を損傷した部分が関節内で引っかかり曲げ伸ばしができなくなる事があります(ロッキング)。
〇筋力低下:
膝の痛みや機能制限により筋力が低下することがあります。歩行や日常生活動作に支障が出ることがあります。
※半月板損傷は損傷部位や程度で症状、予後に個人差が多く見られます。痛みや炎症が改善しない、引っ掛かりやロッキングがある場合は早めに医師の診断を受けることをお勧め致します。
膝蓋下脂肪体炎
お皿の下には膝を保護するための膝蓋下脂肪体があります。
膝を捻った時や、膝をついた時、歩きすぎやスポーツ中に炎症が起こり膝の前が痛くなります。
膝を伸ばし切ると膝前が詰まるような痛みが生じる事が特徴です。
変形性膝関節症や半月板損傷、内視鏡手術などの二次的な要因でも起こります。
腸脛靭帯炎(ランナー膝)
腸脛靱帯炎はランニングによる膝障害の代表で、膝の外側が痛くなる疾患です。
長距離のランニングなどで膝の屈伸を繰り返しすことで膝腸脛靭帯が大腿骨の外側に何度もこすれ、炎症を引き起こします。
主にオーバーワーク(走りすぎ)が原因となりますが、股関節周囲の筋力低下、足首などの使い方とも関係があります。
軽度の場合は運動中や運動を終えたあとに痛みますが、安静にしていると痛みはなくなりますが、悪化をすると歩行時や安静時など日常生活中にも痛みが生じるようになります。
炎症を抑えるために運動後にはアイシングをすることや、運動量を調整する必要があります。
膝蓋靭帯炎(ジャンパー膝)
ジャンパー膝はお皿の下にある膝蓋腱に炎症や痛みが生じる疾患です。
バレーボールやバスケットボールなどでジャンプや着地動作を繰り返し膝蓋腱に微細な損傷が生じる事で起こります。
軽度であれば運動中、運動後に痛みが生じる程度ですが、悪化すると痛みでしゃがめなくなったり、階段など日常生活でも痛みが生じたりすることがあります。重症化すると腱が変性したり断裂したりすることもあります。
オーバーワークや股関節周囲の筋力低下、足首の硬さなど膝に負担をかける使い方が原因となります。
鵞足炎
鵞足は縫工筋、薄筋、半腱様筋という3つの筋肉が膝の内側に集まる部位で、膝の曲げ伸ばしや膝下を外側へねじる動作の繰り返しで炎症が起こります。
主な症状は歩行や運動時の膝内側の痛みで、スポーツをされている方に起こりやすい疾患です。
運動量を調整したり、運動後のアイシング、ストレッチなどのセルフコンディショニングをしたりすることが必要です。
※どの疾患も痛みが続く場合は早めに病院へ受診し医師に相談をしましょう
最後までお読みいただき有難うございました。
記事監修 理学療法士 K
整形外科クリニックに勤務し肩、膝を中心に延べ9万人以上のリハビリを担当
サッカーチームにトレーナーとしても帯同中
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