「人工股関節の手術を勧められたけど、正直まだ決めきれない」
うちに股関節のことで相談に来られる方から、いちばんよく聞く言葉です。手術を勧められた日から、頭の中がそのことでいっぱいになる。調べれば調べるほど、余計に分からなくなる。そんな状態で来られる方が少なくありません。
最初にはっきり言っておくと、僕は手術に反対する立場ではありません。手術でしか取り戻せない生活もあります。ただ、「決める前に確認しておいてほしいこと」はいくつかあると思っています。理学療法士として約19年、股関節の痛みと向き合ってきた中で感じていることを書きます。

変形性股関節症、病院ではどう進むのか
一般的には、まず手術以外の方法(保存療法)から始まります。股関節まわりの筋力をつける運動やストレッチ、体重の管理、負担の少ない動き方の練習などです。そのうえで、続けても痛みが強く生活への支障が大きい場合に、手術が検討されます。
手術にも種類があり、軟骨がまだ残っている比較的若い方では自分の骨を活かす骨切り術、進行している場合や年齢によっては人工股関節置換術、というように状態に合わせて選ばれます。どれが合うかは、整形外科の先生がレントゲンなどの検査をもとに判断するものです。
決める前に確認したい5つのこと
1. 今の痛みは、本当に股関節から来ているか
足の付け根やお尻の痛みは、股関節だけでなく、腰の神経や、股関節まわりの筋肉から出ていることもあります。画像で変形があっても、今の痛みの主役が別の場所にある。現場では、そういうケースは珍しくありません。
2. どの動きで、どこが痛むのか
立ち上がり、歩き始め、靴下をはくとき、階段。痛む場面と場所を細かく分けていくと、負担が集中しているところが見えてきます。「ずっと痛い」と感じていても、実は痛まない動きもある。それを知るだけで、日常の工夫ができるようになります。

3. 手術以外の方法を、きちんと試せたか
運動療法と言っても、プリントを渡されて終わり、では続きません。自分の体に合った運動を、正しいやり方で、一定期間続けられたかどうか。ここが曖昧なまま「効かなかった」と感じている方は意外と多いです。
4. 手術をした場合・しない場合の生活をイメージできているか
仕事、家事、趣味、旅行。何をあきらめたくないのかを先にはっきりさせておくと、主治医の先生との話し合いがぐっと具体的になります。
5. 主治医の先生に、聞きたいことを聞けているか
「手術をしない場合、何に気をつければいいですか」「どのくらい様子を見ていいですか」。診察の時間は限られているので、聞きたいことはメモにして持っていくのがおすすめです。
P-bodyでは、まずここを見ます
当院では、痛む場所と動きを確認したうえで、股関節そのもの、まわりの筋肉、腰からの影響を一つずつ切り分けていきます。どこで何が起きていそうかを、骨の模型なども使いながらお客様と一緒に確認し、共有してから施術に進みます。
そのうえで、負担のかかっている部分に施術を行い、立ち上がりや歩き方を一緒に練習し、ご自宅で続けられる運動をお伝えします。医療機関での診察が必要と考えられる場合は、整形外科の受診をおすすめしています。
こんなときは、先に整形外科へ
- 転んだあとから急に痛み、歩けなくなった
- 安静にしていても強く痛む、夜も眠れない
- 股関節が腫れて熱をもっている、発熱がある
- 脚のしびれや力の入りにくさが強くなってきた
よくある質問
Q. 手術を勧められていますが、相談しても大丈夫ですか?
A. 大丈夫です。手術を受けるかどうかを決めるのは、ご本人と主治医の先生です。当院では、今の体の状態と、日常でできる工夫を一緒に整理するお手伝いをします。
Q. レントゲンやMRIの結果は持って行った方がいいですか?
A. 診断名や検査結果、主治医の先生から言われたことが分かると参考になります。お手元にある範囲で教えてください。
Q. どのくらい通う必要がありますか?
A. 状態や目標によって変わります。初回に体を見たうえで、目安をご説明します。
股関節のことで迷っている方は、一人で抱え込まず、一度相談してください。変形性股関節症についての当院の考え方や、股関節の症状別案内もあわせてご覧ください。
この記事を書いた人
理学療法士 米家(P-body代表)
理学療法士歴約19年。大学サッカー部のトレーナーを12年務めたのち、神戸三宮でP-bodyを開業。セラピスト向けの触診講座「3D触診塾」も主宰。
神戸三宮リハビリ・整体院 P-body
兵庫県神戸市中央区御幸通4-2-13 IPSX BASE 801号室(JR三ノ宮駅から徒歩6分)
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