こんにちは!理学療法士のKです!
冬になりマラソンのシーズンとなりました。
大会に向けて距離やスピードを上げてきている頃ではないでしょうか?
順調にペースアップしてきているのに、
『最近すねが痛くなってきた…』
『走り始めたらだんだんすねが痛くなってくる…』
『走った後に痛くなる』
このような症状で悩んでいる方も、多くいるのではないでしょうか?
この記事では、ランナーの悩みの種になるシンスプリントに焦点を当て、その病態や原因について解説します。
シンスプリントとは?
シンスプリントは、すねの内側(後脛骨筋、長趾屈筋)、やふくらはぎの筋肉(ヒラメ筋)が筋膜が繰り返し引っ張られることで骨膜にストレスがかかり痛みを発症します。
シンスプリントの好発部位は、すねの中央よりやや下辺りで、運動時にふくらはぎの内側の下の方1/3程度の範囲に痛みが現れます。
初期段階では、少しの違和感を覚える程度ですが、状態が進行すると、何もしていない状態で痛みを感じたり、ランニングが困難なほどの痛みがでたりする場合があります。
シンスプリントの主な症状
具体的な症状は次の通りです。
局所的な痛み:
シンスプリントの最も顕著な症状は、下腿の内側、特に脛骨(脛骨の膜)周辺に現れる鈍くてズキズキするような痛みです。
この痛みは局所的で鋭いもので、歩行やランニング時に感じることが多いです。
運動時の痛みの悪化:
シンスプリントの痛みは、運動時や活動中に増加することがよくあります。
特に激しい運動や長時間の活動後に運動後にジーンとする鈍痛が顕著に現れることが多いです。
一晩休んだ後、朝になると痛みが軽減することがありますが、再び活動を始めると痛みが戻ることがあります。
初期は運動し始めの痛みで、しばらく運動をすると軽快しますが、ひどくなると安静時にも痛みが出現するようになります。
シンスプリント重症度
シンスプリントの重症度は、次の4段階に分類されます。
Grade Ⅰ:運動時のみ痛みがある
Grade Ⅱ:運動前後にうずくような痛みがあるが、スポーツ活動に支障はない
Grade Ⅲ:運動前中後に痛みがあり、スポーツ活動に支障をきたす
Grade Ⅳ:痛みが強くスポーツ活動は不可能
初期症状は運動開始直後の痛みで、運動を続けていると痛みが軽減されることもありますが、重症化してくると運動後半に痛みが出始めます。さらに進行すると、安静にしているときにも痛むようになります。
またシンスプリントは、放置すると重症化したり、疲労骨折を引き起こす可能性があります。
シンスプリントと疲労骨折の初期の段階では、レントゲンには写らないためMRI検査が必要です。
痛みが続く場合は早めに医師に相談をしましょう。
シンスプリントの原因とリスク
シンスプリントの原因は複数あり、主な要因は以下の通りです。
過度な負荷:
長距離走や急激な運動量の増加により、下腿の筋肉や骨に過度な負担がかかり、痛みが引き起こされることがあります。またダッシュやストップ動作などを繰り返すことで負担が掛かります。
柔軟性低下:
ふくらはぎや足の筋肉の柔軟性が低下すると、シンスプリントの発症に寄与することがあります。
股関節や体幹の筋力低下:
体幹や骨盤を支える股関節周囲の筋力や体幹の筋力が低下し姿勢やフォームが崩れ、ふくらはぎに負担がかかることがあります。
足のアーチ:
足の裏にある内側縦アーチと呼ばれる土踏まずが潰れて平らになった偏平足や、足首が捻挫したように内向きに捻れて見える足の状態(回外足)の方は、足部への衝撃吸収が上手く出来ず、すねの内側にストレスが掛かりやすくなります。
ランニングフォーム:
歩行やランニングのフォームに問題がある場合、足に余分な負荷がかかりやすく、シンスプリントが発生しやすくなります。
また固いグランドや路面での練習も注意が必要です。
ランニング経験が少ない方も発症しやすいと言われています。
シンスプリント治療方法:
休養とアイシング:
シンスプリントが発症している場合、まずは足への負担を軽減させるために運動量を減らしたり、休養が必要です。
痛みがある部位に氷を当てること(アイシング)は、炎症を抑えるのに役立ちます。直接肌に当てる際には凍傷に注意しましょう。
理学療法士による運動療法:
理学療法士による専門的な運動療法は、シンスプリントの治療に非常に有効です。
原因には個人差があるため、症状に合わせた運動プログラムを作成し、筋力を強化し、ふくらはぎのストレスを軽減させる必要があります。
歩行やランニングフォームの改善:
シンスプリントの症状は、歩行やランニングのフォームに関連していることがあります。
運動時の正しい体の使い方を学ぶことは、再発を予防するために重要です。
適切な靴の選択:
運動用の靴を選ぶ際には、足の形状と運動スタイルに合ったものを選ぶことが大切です。
理学療法士やランニングシューズの専門家に相談し、適切な靴を選びましょう。
シンスプリントは個人差があり、治療方法も症状や原因によって異なります。
そのため、理学療法士や医師の指導を受けながら、自身に合ったアプローチを見つけることが大切です。
放置せず適切なリハビリを行い、ふくらはぎの負担を減らしていきましょう。
最後までお読みいただき有難うございました。
記事監修 理学療法士 K
整形外科クリニックに勤務し肩、膝を中心に延べ9万人以上のリハビリを担当
サッカーチームにトレーナーとしても帯同中